物を作る技術・加工できる技術を商品としている技術メーカーが抱えている問題点。それは、自分たちの優れた技術をうまくアピールできていないという点ではないでしょうか。
これまでは、伸び行く産業の中でクライアント企業が高い技術力を持つメーカーを探し出し、その要望に応えられるメーカーが受注を受けるという流れになっていました。しかし100年に1度の不況といわれる昨今、どこも斜陽産業となりニッチ市場の隙間もなく、伸び行く産業もそうそうはありません。
そんな中、前向きな技術メーカーは、「従来の産業にしがみついていては未来がない」「クライアントから課せられる要望に応えているだけではだめだ」と考え、もっと広く自分たちの技術力をアピールするために産業別のフェアに出展するなど、新たに自分たちを必要としてくれる企業を探し営業をかけています。
ところが、攻めの新規開拓営業の経験が少ないため、フェアへ出展したり、いろんな企業を訪問しても、分かりやすくプレゼンできない技術メーカーが多いようです。自分たちの技術はいかに優れているか、そんな話をいきなり力説されても多くのクライアントは理解できません。同じ産業に関わっているのだから、優れたところを言えば当然、理解してもらえるだろうと考えているのなら大間違いです。
自分たちは分かっているからいいのですが、クライアントは、その技術が自社にとってどう役立つのか、すぐには理解できないのです。ゆえに、なかなか仕事につながらない。そんな悪循環を繰り返している技術メーカーは多く存在します。
求められたことに応える、これまでの受注とは違うのです。
求めていない人を振り向かせ、自分たちの技術の優れたところを理解してもらい受注につなげる新規開拓営業。それには、自分たちの言いたいことを言うのではなく、クライアントの立場に立った顧客ソリューションのアプローチをかけなければいけません。
これまでの技術メーカーは、クライアントから「こういうことに困っている」「こうして欲しい」という要望を受け、それを自分たちの技術で解決するというスタンスが多かったと思います。しかし今後は、自分たちの技術がどんな産業で役立つのか、どんな可能性があるのか自ら調べピックアップすることが大切です。
そして、そこではどんな問題が起きているのかを洗い出し、それをどう解決するのか問題解決方法を作り出しておくべきです。クライアントさえ気づいていない問題に目を付け、その解決方法を考えておき、それをクライアントに説明して、「自分たちの技術でこんな風に満足のいく解決方法ができる」と提案する、それがコンサルタント営業です。