しかしそのうち「相手を責めてばかりいても仕方がない。どうしたらいいのだろう」と考えるようになりました。
すると、自分が理解したつもりのことが、クライアントから見て正しいかどうかという確認作業をしていなかったことに気づいたのです。
こんな独りよがりでは、相手が理解を示してくれるはずもありません。
それからは、自分が思っていることでいいのかどうか、確認作業をするように心がけました。
すると以前のように否定されることは少なくなったのですが、それでもクライアントは担当者の好き嫌いで判断してきたりします。
それをどうにか説得しなければ仕事が進みません。
そのうちプレゼンテーション力もついて、なんとか説得できるようにはなったのですが、どうも広告の分野ではシロウトであるクライアントを、専門家の力技で押さえ付けているような部分があるのではと思うようになりました。
何かが足りないと思いました。
そしてわかったのが、結局、自分もクライアントも消費者も、みんなが納得できるようなものでなければいけないということでした。
みんなを納得させるのはとても難しいことですが、この物語を完結させる努力をしなければ理想の結果は生まれないのです。