その原因は二つ。
一つは、自分自身の問題です。
赤ちゃんは、もの凄い勢いで再構築を重ねて成長します。子供は、小さなことやつまらないことに囚われないのでどんなことも吸収し、自分の変化と周りの変化を調和させてしまいます。が、しかし人生の中でいつしか囚われや決めつけが始まり、変化できない人間に自分でしてしまうのです。
二つ目は、社会環境の問題です。
○時代の変化が激しく、スピードが速い
○価値観の多様化が進んで対応が難しくなっている
○メディアの発達により情報の氾濫が起きている
○企業活動による便利や楽の提供による、経験・体験の不足 など。
自分自身の問題にプラス世の中がますます難しくなってきている今、再構築能力の開発が求められているのです。
再構築とは「すべての存在との対話」であり、コミュニケーションのことなのです。再構築能力の低下の原因に照らし合わせて見てみますと、時代との、価値観との、情報との、環境との、そして自分とのコミュニケーション能力が落ちていると言い換えられます。おびただしい質と量の情報と、変化の激しさと価値観の多様化に対応する自我が弱くなっているのです。
自我とはエゴの事であり、意識と行動を司るもので、人間の成長(再構築)に最も必要な要因なのです。一般的にはエゴというと悪いものの代名詞みたいに扱われますが、バランスの取れたエゴこそが、その人のオンリー・ワンと言えるのです。
ですから、再構築能力とはバランスの取れたエゴを持ってどんな物ともコミュニケーションをしていける能力と言えるのです。
人間は、不変と変化のバランスの世界で常に変化を求められ、現実と理想を抱えながら、束縛と自由のバランスを見極め、常に創造と破壊を繰り返し、自分の伝統のために革新を続ける宿命を与えられています。