人格核に説得力を持たせる - 3

「せっかくチャンスを与えられたのだし、自分を選んでくれた監督を信じてベストを尽くせばいいんだ」と思えるようになったりします。

そのとたん、見違えるように活き活き演じられるというようなことが起こります。

自分にとって手に余る問題はどうしても「つらいこと」「悲しいこと」「めんどうなこと」というマイナスの捉え方になってしまいます。

それを「つらくないよ」「悲しいことではないよ」「だいじょうぶ、できるよ。なぜならね…」と理由をつけて説明し、励まし、納得させてくれるのが人格核です。

大きな問題を大きいまま受けとめるのではなく、問題を構成しているいろいろな要素を見つめ、分割して取り組みやすい部分を選んだり、順番を考えたりできる、説得力ある人格核を創り上げていくことが大切です。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月31日08:11

人格核に説得力を持たせる - 2

そういう時は、問題を分割して考える必要があります。

分割して、自分が解釈し納得できそうな部分から1個でも2個でも取り組むことが大事です。

1000個の中の1個や2個を解決できた程度では、なんにもならないと思ってしまうかもしれませんが、今まで自分がわからなかったことを、たとえ1個でも2個でも納得できるようになるというのはすごいことなのです。

やがてそれが10個となり20個となり100個となり、ある分岐点に来た時に突然、希望が見えてくるのです。

すると「なるほど、そうだったんだ」と心から納得できる時が来ます。

それがいわゆる「悟る」ということなのかもしれません。

ある女優さんが、大役を任されたとします。

あまりの大役に、はじめのうちは「失敗したらどうしよう」「とても自分にはできない」などとマイナス感情核ばかりが出てきてしまい、そのうち「自分をこんなに苦しめるなんて、監督はひどい人だ」「自分には女優は向いていないんだ」などとプレッシャーが押しよせてきます。

しかし、ふと冷静になり「自分と同じ年頃の女の子の役なのだから、素直に演じてみよう」とできるところから取り組んでみると、少しずつ役柄もわかり、今の自分の置かれている立場に納得できるようになります。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月30日09:49

人格核に説得力を持たせる - 1

私たちは、問題ごとをなんとか乗り越えて前に進もうとする時に、「なぜこの問題を乗り越えなくてはいけないのか」という理由を求めます。

それは、人間は納得しないと行動できないようになっているからです。

納得するには、人格核にものごとを解釈する力がなければいけません。

人格核の大きさとは、起きたできごとをどう解釈できるかという能力であり、情報処理能力といえます。

人格核は、良い感情核も悪い感情核も公平に受け入れます。

そしてプラス感情核に対しては、より正しい情報を与え、励まし、力強く進むように導きます。マイナス感情核が現れても否定したり打ち消すのではなく、マイナス感情核が「あっ、そうか。そうだったのか」と納得できるような情報を提供します。

人格核は「なぜそうしなくてはいけないか」という感情核のギモンに対して説明をし納得させるのが仕事なのです。

ところが、あまりにも大きなできごとが起きると、人格核がさまざまなマイナス感情核の思いやギモンに答えようとしても、そのできごとを解釈しきれません。

たとえば、ちゃんと納得して乗り越えるには1000個の課題を処理しなくてはならないのに、50個くらいまでの情報処理能力しかない人が一度に全部を解決しようとするから、パニックに陥ったり苦しくなってしまうのです。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月29日08:15

ココロのキャパシティ

こんな風にさまざまな感情核たちが、思い思いの主張をどんどんしてきます。

そして感情核たちを相手に、人格核が司会をしながらどういうようにまとめていこうかと一生懸命に働いています。

司会者である人格核は、基本的には前向きな方向へと導こうとするようです。

ですから、プラス感情核の力が強ければ、何の問題もなく成長できる方向へ進めるのですが、マイナス感情核が強いと良くない方へと流されてしまうようです。

この人格核の司会が定まらないと自分会議がうまく開けないため、いつまでもココロの中がもめて結論を出せずに迷うことになってしまいます。

人格核がより正しい方向へ感情を導いていけるようになるためには、人格核を大きくし、ココロのキャパシティを広げていく努力が必要なのです。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月28日07:39

◆恋愛会議

「浮気者の彼氏に不満を持っていて、もっといい恋愛をしたい」と思っている時の自分会議は、冷静な感情核が「もう今の彼氏とは、お互いを向上させ合うようないい付き合いができそうもない」と判断します。

そして勇気の感情核が「つらいけど、思い切って別れた方がいい」と結論を出そうとします。

受けとめる感情核は「どうしてそんな恋愛になってしまったのか、自分を見返ってみよう」と反省しようとし、くじけない感情核は「負けずにもっといい恋愛をしよう」と未来を見つめます。

一方、執着の感情核は「浮気されて毎日がつらいけど、何が何でも好きだから別れられない」としがみつこうとし、被害者的な感情核は「自分ばかりがこんな思いをしてかわいそうだ、損だ」とグチを言い出します。決めつける感情核は「自分は絶対に悪くない。

浮気相手の女が悪いにちがいない」と自分を正当化しようとし、あきらめない感情核は「何とかして彼氏を自分の元へ引き戻したい」と悪あがきをします。

あきらめない感情核は通常はプラスの感情核なのに対し、この時はマイナスの感情核として表れています。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月27日08:02

◆人生目標会議

「いつまでもフラフラしていないで、人生目標を持たなきゃ」と思った時の自分会議はこんな様子です。

まず、がんばり屋の感情核が「今がんばれば、きっと実を結ぶ」と言い、くじけない感情核も「やることが多くて大変そうだけど、最後までやりぬいてみよう」と言います。

勇気の感情核が「失敗するかもしれないけれど、とにかくやってみなければわからない」と言い、行動力の感情核も「今すぐはじめてみよう」と決心をうながします。

それに対して日和見的な感情核が「そんなにあせらなくても、他にもっといい話があるかもしれない」などと水をさし、のんきな感情核が「そうだよ、別に締め切りがあるわけでもないし、そんなに急ぐ必要はないさ」などとごまかそうとします。

そのうち怠け者の感情核が「めんどうくさいから、やりたくないなぁ」とダダをこね出し、消極的な感情核が「自分なんかダメかもしれない」などと後ろ向きなことを言ったりします。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月26日07:54

「人格核」を中心に、自分会議を開いている

では、どうやって感情を正しい方向へ導いていけばいいのでしょうか。

何かできごとが起きると、人格核がそれを受けとめて対処しようとします。

その時に、人格核が受けとめる情報の量と質によってさまざまなプラス感情核とマイナス感情核が発生します。

受けとめられるキャパシティー内の場合はプラス感情核が力を持ち、キャパシティーオーバーの場合はマイナス感情核が力を持ちます。

感情核たちはそれぞれ、「がんばろう」とか「やりたくない」とかさまざまな思いを湧き上がらせます。

マンガなどでよく天使と悪魔がささやくシーンがありますが、それと似た状態で、さまざまな天使とさまざまな悪魔がささやくのです。

その感情核たちを統率し、解決方向に導く役目を果たすのが人格核です。

つまり、できごとが起こる度にいつも、人格核を司会者としてさまざまな感情核たちがココロの会議室で会議を開いているのです。

これを『自分会議』と呼んでいます。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月25日07:42

世の中は「努力」を必要とする仕組みになっている - 2

しかも、多少の努力では現状のレベルを維持するのが精一杯のようで、何もしなければ、逆にどんどん退化していってしまいます。

どんなにがんばって訓練や勉強をしたことも、継続する努力をしなければとあっという間に低いレベルへ戻ってしまいます。

世の中は、向上しようと思ったら努力を必要とする仕組みになっているのです。

感情を自分が正しく生きるための方向へ導いていくというのは、とても大変なことです。

「頭ではわかっていても感情が許さない」というのが人を苦しめる大きな原因のひとつになっています。

しかし、何も努力をすることなく感情の許すままに行動していたら、自分がどんどん退化するばかりか、やがて世の中から必要とされなくなり、結局は自分を苦しい状況に追いやるということになってしまうと思います。

感情を「あるべき方向へじょうずに導いていく」ことで、人間は成長していけるのではないでしょうか。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月24日07:42

世の中は「努力」を必要とする仕組みになっている - 1

部屋をキレイにしようと思ったら、片づけるとか掃除機をかけるなど、キレイにしようと努力しなければキレイになりません。

ところが、汚くするのは放っておいてもホコリがつもったり物も自然と壊れたりします。

お腹が空いたら、食べ物を作るか買ってきて食べなければ満たされません。

どこかへ行こうと思っても、体を動かさなければ行けません。

世の中は、何もしなければ何も生まれない仕組みになっています。

仕事でも趣味でも、何かいいものを作ろうと思ったら、一生懸命に考えたり技術を磨いたりと努力をしないとできません。

変なものでもいいやと思って適当にやってもそれなりのものはできるかもしれませんが、何事も良くしようと思うのなら、労力を費やさなければできないのです。

ですから、成長をするのにも努力が必要なのです。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月23日07:35

成長の鍵はコントロールにある - 2

赤ちゃんは感情をコントロールしたりしません。

まだ言葉を持たない赤ちゃんにとって、感情をストレートに表現し相手に受け取ってもらうことが唯一のコミュニケーション手段だからです。

守られ育ててもらっているという立場にあるから、そういうわがままも許されるし、だからこそ自由にのびのびと育っていきます。

しかし大人はそうはいきません。

生きていくということ自体がわがままの通らないことだからです。

ですから大人は、自分の感情を理想的な方向へ導くことが必要となってきます。

この社会でたくさんの人と関わり合って生きていくためにはじょうずにコントロールしなくてはならないし、より良い生き方をするにはより良いコントロールを身につけなくてはいけないようです。

そして「こんな時にこんな感情が現れ、それをこんな風に導いていけばいい」とわかるようになるには、いろいろな感情を受け入れて、乗り越える経験というものが必要のようです。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2010年10月22日07:56