最終章 - 11

人生を恨んで「二度と人間には生まれてきたくない」と思っていた人間が、なんとか自分の身の周りに起きているできごとを少しずつ受け入れられるようになり、何よりも自分自身を受け入れ、目標を持てるようになってきたのです。

これまでの話は、そんな私からの「こんな捉え方をしてみたら、自分を見つけられるかもしれませんよ」というメッセージです。

「こんな考え方もあるよな」と思っていただけたら、ほんの少しでもみなさんの生活の中に取り込んでいっていただけたら幸いです。


「人格の向上を目指して」おわり



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年06月07日06:40

最終章 - 10

人との出会いや仕事との出会い、そしてトラブルや事件との出会い。

失恋や友だちとのけんか。

良かったことも悪かったことも、どんなこともすべてが自分を成長させてくれていたんだということに気づきました。

自分の身の周りで起きているできごとをどう受けとめれば良いのか、ということが少しずつわかってきたのです。

早くに生き別れた母親に対する想いは、いつも寂しいものでした。

そして母を亡くした時のショックは大変なものでした。

しかし今では、母親が健在の時には会えなかったけれど、亡くなった今は逆にいつも自分のそばにいてくれていると思えるようになりました。

またそれ以上に、母親は自分の姿を隠すことによって、甘えんぼうだった私に厳しく「自分の道は自分で開くのですよ」と教えてくれているのだと思えるようにもなったのです。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年06月06日07:10

最終章 - 9

広告の仕事を初めて33年になりました。

表現をするという仕事に携わることによって、様々なことを教わりました。

表現することの難解さ。

人の想いを受け取る大切さ。

世間の人たちの嗜好を把握することの大変さ。

意志のすり合わせの難しさ。

流行や時代の流れを読むことの大事さ。

人間関係の重要さ。

そして、

納得できるものができた時のうれしさ。

広告が成功したときのよろこび。

クライアントやスタッフとココロが通い合った時のやりがい。

形が残る仕事の充実感と責任。

数え上げたらきりがないくらい、さまざまなことを学ばせてもらいました。

何の才能もない人間が、とにかく仕事を続けるコトで多少のことができるようになりました。

それは、いろいろな人とのつながりや、毎日毎日起きるできごとのおかげだったのです。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年06月05日06:48

最終章 -8

人生が苦しくてしょうがなかったころ、一度だけ占いをしてもらったコトがありました。

「う~ん、あなたは人に恵まれてますねー。あなたの身の周りには、いい人がたくさんいるでしょう」と言われて「いません」などととんでもない返事をしてしまうような、周りの人たちに感謝もできないつまらない人間でした。

そんな人間が、さまざまな人たちの出会いやわずかな経験の中でわかったのは、「どんな人もどんなできごとも、自分にとってムダなことは無い」ということでした。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年06月04日06:26

最終章 - 7

「自分の人生はムダではなかったんだ」

「こんな自分でも少しは人の役に立てるんだ」

そう思えるようになった時に、恨んで恨んでイヤでイヤでしょうがなかったはずの人生の中に、たくさんの良いことが思い浮かびました。

「おじいちゃん、おばあちゃんはやさしかったな」

「親戚のおばさん、おじさんもやさしかったな」

「友だちはイイ奴ばかりだよな」

「先輩に恵まれているよな」

「家族や兄弟は良き理解者だよな」

そして、仕事ではスタッフにも恵まれています。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年06月03日06:37

最終章 - 6

家業に失敗した人の相談がありました。

片親の人の相談もありました。

プロになりたい人の相談もありました。

そして、自分と同じように人生に悩んでいる人の相談もありました。

どのくらい適切なアドバイスができたのかわかりませんが、本当に自分が納得していることに関しては、力強く応えている自分がいたのです。

自分のコトで精一杯の人間が、人を励ましていたのです。

最初はとても違和感がありましたが、やがて、自分がイヤな思いをしたから、つらい思いをしたから、失敗したからこそアドバイスができるのだと知りました。

そう考えると、今までに体験してきた悪いと思うことも、恨んだことも、実はすべて自分の成長につながっていたんだと思えたのです。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年06月02日07:32

最終章 - 5

こんな私ですが、なぜか人から相談ごとをよく持ちかけられました。

そして「なぜ、自分のことで精一杯の俺が、人の相談にのれるんだ?」とココロでつぶやきながらも、少しずついろいろなことに気がつきはじめました。

自分が経験したことや、実際にどう解決すればいいのか具体的にわかっていることへのアドバイスは楽にできるのですが、そうでない場合は、相談を受けても精神的に大変な思いをしてしまうなどということです。

考えてみればあたりまえのことですが、私にとっては大きな発見でした。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年06月01日06:44

最終章 - 4

「どうして、この人はすごいんだろう」

「この人は挫折を味わったことはあるんだろうか」

「どんな努力をしてきたんだろう」

そんなことを考えているうちに、どんな人にも悩みはあるし努力もしていることがわかってきたのです。

そして自分の努力の無さ、実績の無さ、器の小ささに気がつきました。

「いったお前は今まで何をしていたんだ?」

「どれだけの努力と勉強をしてきたんだ?」

「自分がどれだけ正しいことができているのか、考えたコトがあるのか?」

そんな言葉が次から次へと飛び出してきたのです。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年05月30日06:34

最終章 - 3

しかし、生活していかなくてはならないという現実がありました。

お金を稼がなければいけないし、夫らしくも父親らしくもならなければと焦りばかりがつのります。

なのに仕事もなかなかできるようになりません。

東京という大都会の中で、すごい人たちと自分を比較してしまい、自分で自分の価値を思いきり下げてしまいました。

そしてますます焦り、自分自身の存在価値までも見いだせなくなっていったのです。

だからといって人生を捨てるわけにもいきません。

家族のために、そして自分のためにも。

敗北の人生だけはイヤだと思いました。

そしてさまざまな人たちとの出会いがあり、こんな自分でもいろいろなことを学んでいきました。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年05月29日07:14

最終章 - 2

お酒を飲んで人にくってかかったり、自分の存在を認めさせたいがために相手を否定し意味不明の主張をしたり、言いわけばかりして何からも逃げようとしていました。

そんな時に、いつもどこからともなく誰かが語りかけてきたのです。

「お前の女房や子供はどうなるんだ?」

「お前はそんな程度の人間だったのか?」

「せっかくの人生を台無しにしてしまうのか?」

きっとこれは、自分の心の叫びだったのだと思います。なのに、

「どうすればいいんだ?」

「そんなこと言ったって、こんな自分に何ができるんだ」

「もっと自分に才能があったら」

そんな自問自答ばかりを繰り返してしまうのです。



  


Posted by モチヅキ セイジ. at 2011年05月28日07:03