あまえんぼ子ネズミが、そういったので、きかんぼ子ネズミは、まけずに、いいかえしました。
「そうやって、人のせいにするのが、よくないんだ。まいにちの、たいどが、大切なんだよ。いきなり、なかよくしようとしたって、ムリだよ」
お母さんが、二ひきを、なだめるように、いいました。
「鳥さんたちは、なぜ、グレが話しかけてくるのか、かんがえる。グレは、なぜ鳥さんたちは、そんな、たいどをとるのか、かんがえる。それが、ほんとうに、なかよくなっていく、ということじゃないかしら。みんな、せいかくも、こせいも、ちがうからね。あなたたちだって、せいかくがちがうけど、それぞれの、いいところを、みとめあわなきゃ」
「でも、ポーとグレは、よくなかなおりしたねぇ!」あまえんぼ子ネズミが、ハッと気づいて、いいました。
「グレはさいごに、ポーのところへ、もどったんだから、ちょっと、男らしくないんじゃないか!」やんちゃ子ネズミも、かんがえこんで、しまいました。
「自分でやると、いったんだから、さいごまで、がんばったほうが、よかったのかも」きかんぼ子ネズミも、むずかしい顔をしています。
しきりに、あたまをひねっている、子ネズミたちを見て、お母さんがいいました。
「グレは、じしんをなくしたとき、はじめて、ポーのたいせつさに、気づいたのよ。だから、さいごに、やっぱりポーのところへいこうと、おもったの。でも、それが、グレにとっては、すごいへんかだったのよ、きっと。そのことが、ポーをおどろかせ、ポーにも、かわろうという、ゆうきを、あたえたんじゃないかしら」
「すなおが、いちばん、ということだね!」あまえんぼ子ネズミが、大きな声でいいました。
「…グレは、はじめ、ポーのせいかくを、かえることができなかった。でも、けっきょく、ポーは、かわったんだ。ということは…」
やんちゃ子ネズミが、かんがえていると、きかんぼ子ネズミが、いいました。
「たいせつなのは、まず、自分をかえること。それを見て、相手がかわるんだ!」
つづく