しかし、ブランドメーカーになるには、大勢の消費者にその存在を知ってもらわなければなりません。また、売場や流通機能の確保、消費者以外の多くのバイヤーへの販促活動なども必要になってきます。そのためのコミュニケーション、宣伝広報の仕方など、知らなくてはならないことが山ほどあります。
つまり、顧客獲得コストが膨大に掛かるのです。この認識が薄いと、これまで使ったことのない経費は極力抑えようとしますが、そんな状態で展開しても結果は出ません。さらに、ブランドメーカー同士の戦いはある意味、もっと熾烈です。生半可な考えでやろうとしても絶対に成功しないでしょう。
しかし、転身しないにしても、ブランドメーカーはどんな戦場で戦っているかを勉強することで、より強固なOEMメーカーになることができます。
クライアントの辛苦を知ることで、「そういう場合は、こんな製品はどうですか?」「こんな展開はいかがですか?」という提案をし、バックアップできる存在となるのです。
製品の専門家としてクライアントを導いていけるようになれば、もうただの下請けメーカーではありません。一社のためだけのOEMではなく、OEMのプロフェッショナルとして幅を広げることも可能ではないでしょうか。また、こうして市場を学びながら、自社ブランド展開を育てていくのが堅実で懸命なやり方なのです。
以上、ご紹介してきたのはあくまで一例であり、
■技術メーカー ⇒ ブランドメーカーまたはOEMメーカーへ
■ブランドメーカー ⇒ 技術メーカーまたはOEMメーカーへ
■OEMメーカー ⇒ 技術メーカーまたはブランドメーカーにへ
という転身、もしくは併用を検討し、今までの「何屋」から本当の「何屋」を探し当てていくべき時代になっています。