一般消費者に向けた最終商品を作っているブランドメーカーが抱える問題点。それは、どんなに良い物を作っても売上が伸び悩んでいるという点ではないでしょうか。
これまで何度もご説明してきたように、物溢れの時代、どんなに良い商品でも店頭に置いているだけでは売れません。緑茶や日本酒の売上が落ちたのは、悪い商品になったからではなく、それ以外にたくさんの飲み物が登場し、消費者にとって選択肢が増えたからです。
もはや、おいしい、品質が良いなどというのは当たり前。消費者はそれプラス、常に別の使い方・新たな楽しみ方を求めているのです。
物溢れの時代に負けず、選ばれる存在になるには、消費者の生活により頻繁に取り入れてもらえるような使い方提案をしなくてはなりません。そのためには、ターゲットとなる人たちはどんな生活をし、どんな時にどんな物を必要としているのか、何に楽しみを見出しているか、ステイタスは何かなど、そのライフスタイルを徹底して調べることが必要です。
その人たちの生活の中で、自分たちの商品をどう活かしてもらえるかを考え、提案できるメーカーが生き残っていけるのです。
これまで緑茶や日本酒は、そのものが主役でした。
この主役を味わい、引き立てるために、漬物やおせんべい、そして酒の肴を用意しました。しかし今後、顧客数を増やしていくためには、緑茶や日本酒に慣れ親しんでいない人、そんなに好きじゃない人、お酒に弱い人たちを獲得していかなくてはなりません。
そのためには視点を変え、食べ物を主役にして、それをバックアップするような位置づけに緑茶や日本酒を持ってくる提案をする。これが新たなライフスタイル提案となります。このように仮に商品自体は変わらなくても、視点を変えることで新しいブランド展開ができるはずです。